
こんにちは!VOC事務局です。
「エンジニアが足りない。でも外に頼って大丈夫なのか…」
「この案件、内製と外注どっちがいい?」
多くの企業が、開発を進めるうえでこうした判断に迷います。
限られた社内リソースで業務を回しつつ、新規開発や保守までこなすのは至難の業。
一方で、外注には不安もある——。本記事ではそんなジレンマに対して、「どう判断すればいいか?」の考え方と基準をわかりやすくご紹介します。
この記事はこんな人にオススメ!
- 社内リソースが足りず、開発を外注すべきか迷っている企業担当者
- どこまでを社内で、どこからを外部に任せるべきか、判断の基準が欲しい方
- 開発体制の見直しを考えていて、内製と外注の違いやメリットを整理したい方
1.そもそも「内製」と「外注」の違いとは?

まず整理したいのが、「内製」と「外注」の定義です。
「内製」とは、自社の正社員や常駐パートナーが開発を行うことを指します。
たとえば、自社プロダクトを自社エンジニアで継続開発するケースや、情シス部門が社内システムを改善するケースなどが該当します。
「外注」は、開発会社やフリーランスに業務を委託する形のことを指します。
国内ベンダーはもちろん、オフショア企業との提携も含まれます。
ECサイト制作をWeb会社に依頼したり、アプリ開発を外部に任せるケースが代表的です。
両者の違いは「社内か社外か」だけでなく、進行体制やノウハウ蓄積、コスト構造などにも影響します。
2.社内開発のメリットと課題

社内での開発、いわゆる「内製」には多くの利点があります。
まず最大のメリットは、自社の業務やビジネス背景を深く理解したメンバーが開発を担当できることです。
要件のすり合わせや仕様変更が発生した際にも、スムーズかつ柔軟に対応できるため、プロジェクトの方向転換がしやすいという強みがあります。
また、開発の過程で得られたノウハウや知見を組織の中に蓄積できるのも大きな魅力です。
自社の業務やシステムに特化した知識が継続的に残ることで、将来的な改善や再開発にもつなげやすくなります。
一方で、社内開発には課題も存在します。
とくに中小企業やスタートアップの場合、慢性的な人材不足に悩まされるケースが多く、開発に必要なリソースを確保しきれないこともしばしばです。
新たに人材を採用したり育成したりするには、時間もコストもかかります。
さらに、特定のメンバーに業務が集中してしまう「属人化」のリスクも見逃せません。
退職や異動が発生した際に、システムの仕様や運用フローが分からなくなってしまう、といったケースも現実には起きています。
このように、社内開発は柔軟性やノウハウ蓄積の面では優れていますが、リソース確保や継続性の面で一定のハードルがあることも理解しておく必要があります。
3. 外注開発のメリットと課題

外注には、社内開発にはない数多くの利点があります。
もっとも大きなメリットは、スキルや技術力を持った外部人材を必要なときに迅速に確保できるという点です。
とくに、社内に専門的なノウハウがない場合や、短期間で立ち上げたいプロジェクトがある場合には、外注は非常に有効な選択肢となります。
また、自社の人材を増やすことなく、開発リソースを柔軟に拡張できるのも魅力です。
繁忙期のみ開発規模を拡大したり、特定の技術に特化したチームを短期的に組成したりといったことが可能になります。
これにより、内製では難しいスピード感のある開発体制が実現しやすくなります。
さらに、成果物ベースでの契約が一般的なため、プロジェクト単位でのコスト管理がしやすいという側面もあります。
人件費としての固定コストを抑えながら、必要な分だけ外部リソースを活用することができるため、経営的にも柔軟性の高い運用が可能になります。
しかし、外注にも注意すべき課題があります。
まず、要件定義や仕様伝達に手間がかかるという点です。
外部のパートナーに自社の業務や期待値を正確に伝えるには、十分なドキュメントやコミュニケーションが欠かせません。
これを怠ると、成果物の品質に影響が出たり、スケジュールの遅延につながることもあります。
また開発業務が外部にある分、ノウハウが社内に蓄積されにくいという懸念もあります。
将来的に内製に切り替えたい場合や、別のベンダーに移行したい場合に、情報が残っておらず苦労することもあるでしょう。
さらに、外注先によっては品質や進行管理に差が出やすいことも事実です。とくに海外のオフショア企業を利用する場合、言語や文化の違いから、想定外のリスクが生じる可能性もあるため、委託先の選定は慎重に行う必要があります。
このように、外注開発はスピードや柔軟性に優れる反面、コミュニケーションや品質管理の工夫が求められる手法です。
自社の体制や目的に応じて、どのように活用するかを見極めることが重要です。
▼以下の記事でオフショア開発について詳しく解説しています!▼
【簡単解説】オフショア開発とは?意味やメリットを5分で分かりやすくご紹介!
4. 判断のポイントは「3つの軸」

内製と外注、どちらを選ぶべきか。その判断に迷ったときには、単に「コストが安いから」「社内に人がいないから」といった短絡的な基準ではなく、3つの観点(=軸)から総合的に検討することが重要です。
① リソース軸:今、社内に対応できる開発人材がいるか?
まず最初に検討すべきは、自社にどれだけの開発リソースが確保されているかです。
現在進行中のプロジェクトや運用業務だけで手一杯になっている場合、たとえスキルを持った人材が社内にいても、新規開発に手を回せない可能性があります。
開発のボリュームやスケジュール、優先度なども踏まえ、「この案件を社内で無理なく回せるか?」を冷静に見極める必要があります。
② スピード軸:どれくらいの期間で成果を出す必要があるか?
次に考えるべきは、「いつまでに何を完成させる必要があるのか?」という時間軸です。
もし短期間で立ち上げたい、リリースを急ぎたいといった要件がある場合、内製にこだわって人材を採用・育成している時間はありません。
このようなケースでは、スピーディに対応可能な外注の方が適している場合があります。
逆に、長期的な運用を見据えた開発であれば、じっくり内製体制を整える判断も有効です。
③ 成長軸:社内に残すべきノウハウか、一時的な開発か?
最後に意識したいのが、その開発が将来的にどれだけ自社の事業に関わるかという視点です。
たとえば、コア業務に直結する機能や、継続的に改善・改修が必要な領域であれば、内製で進めてノウハウを蓄積する方が合理的です。
一方で、PoCやスポット的な業務ツール、技術検証など「一時的なプロジェクト」であれば、外注を活用した方がコスト・スピードの両面で効率が良くなります。
この3つの軸をもとに状況を整理することで、短期と長期、戦略的な投資と即応性のバランスを取りながら判断することが可能になります。
どちらか一方を盲信するのではなく、目的やフェーズに応じて柔軟に選ぶ視点が、これからの開発体制には求められています。
5. 外注を前提にするなら「小さく試す」選択肢も
「いきなり全部任せるのは不安…」と感じるのは、ごく自然なことです。
実際、外注を検討している多くの企業が同じような不安を抱えています。
そこでおすすめしたいのが、「スモールスタートで試す」というアプローチです。
たとえば、新規プロダクトの初期段階にあたるMVP(Minimum Viable Product)開発だけを外注してみる。
あるいは、システム全体の中から特定の機能モジュールのみを委託してみるといった形で、リスクを抑えながら外注の効果や相性を見極めることができます。
このように、まずは小さなスコープで実績を積んでいくことで、コミュニケーションの取りやすさ、品質や納期の精度、チームとの相性といった要素を具体的に確認できるようになります。
もし「これはいけそうだ」と感じたら、次のフェーズで開発範囲を拡大することも可能ですし、逆に「やはり内製に戻したい」と思ったときも、スコープが小さい分、方向転換しやすいというメリットもあります。
はじめて外注にチャレンジする企業にとっては、「部分的な外注」から始めるのが最も安全で現実的な方法といえるでしょう。
まとめ:迷ったら「目的に合った柔軟な判断」を

いかがでしたか?
開発は内製すべきか?外注すべきか?
その答えは「どちらが優れているか」ではなく、「今の自社にとって最適なバランスは何か」です。
部分的に外注しながら内製も活かす「ハイブリッド型」も、有効な選択肢の一つです。
迷った際は、第三者に相談することも一つの手段です。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
📢【次回予告】
第3回:国内と海外、開発を委託するならどちらが正解?
▼前回の記事をまだ読んでいない方はこちら!▼
第1回:開発を外注したいけど、どこに頼めばいい?【初心者向けガイド】
開発の外注、どこに相談すればいいか迷っていませんか?
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