
こんにちは!VOC事務局です。
国内のIT人材不足が深刻さを増すなか、多くの企業がオフショア開発を導入し、開発体制の強化やコスト最適化を図っています。
その中でも、いま最も多くの企業に選ばれているのが「ベトナム」です。
かつては、中国やインドがオフショア開発の主流でした。
中国は地理的近さと豊富な人材、インドは高度な技術力とグローバル案件の豊富さを武器に、多くの日本企業が活用してきました。
しかし近年、そうした従来の選択肢を抑えて、ベトナムがオフショア開発先として圧倒的な支持を集めるようになっています。
その背景には、若くて柔軟なエンジニア層、質の高い日本語対応、親和性のあるビジネスマナー、そして国家戦略としてのIT人材育成など、複合的な強みがあります。
とはいえ、「本当に中国やインドよりもベトナムが良いのか?」「どんな点で優位性があるのか?」と疑問を抱く方も少なくないでしょう。
本記事では、オフショア開発の3大主要国であるベトナム・中国・インドを多角的に比較し、なぜベトナムがこれほどまでに支持されているのかを、データと実情を交えてわかりやすく解説します。
この記事はこんな人にオススメ!
1. 技術力・対応スキルの比較
ベトナムはモダンな技術にも強く、若手の吸収力が高い。
国 | 技術傾向 |
ベトナム | Web/モバイル、クラウド、AI、Python, React等への対応力が高い |
中国 | 組み込み・ハードウェア寄り。大規模案件に強いが日本語人材は少なめ |
インド | Java系・SAPなど大規模基幹系。グローバル向け開発に強み |
ベトナムのエンジニアは、ReactやNode.js、Pythonなど最新のWeb系技術に強く、AWSやAzureなどのクラウドにも対応可能です。モダンな技術を素早く吸収できる20〜30代中心の層が厚く、アジャイル開発やスタートアップ的なスピード感ある開発にもフィットします。
一方、中国は製造系企業との連携や組み込み系、インドは大規模な基幹系やグローバル対応が得意とされており、それぞれ得意分野が異なります。
2. コミュニケーション・言語対応
日本語対応力はベトナムが最も優位。
国 | 相場感(開発単価) | 備考 |
ベトナム | 1,200〜1,800 USD/月(一般エンジニア) | 品質・対応力とのバランスが良い |
中国 | 1,800〜2,500 USD/月 | 地域によってばらつきあり/やや高騰傾向 |
インド | 1,500〜2,200 USD/月 | 安いが管理・品質にばらつきあり |
ベトナムでは国家戦略として日本語人材の育成が進められており、日本語検定N2〜N3レベルのエンジニアやブリッジSEが多く存在します。実際、日系企業を主要顧客とする開発会社では日本語での業務遂行が可能です。
一方、インドや中国では英語中心で、日本語でのやりとりが必要な場合は対応が難しいケースもあります。
3. 人材の供給量と安定性
ベトナムは若年層の成長が著しく、今後も人材供給が期待できる。
国 | 人材供給傾向 |
ベトナム | 毎年約5万人のIT新卒者が供給される。若手中心で拡大傾向 |
中国 | 人口規模は大きいが人件費上昇中。都市部に集中傾向 |
インド | 人口は多いが、実力のばらつきが大きい |
ベトナムでは、年間5万人以上のIT関連新卒者が輩出されており、20代〜30代前半を中心に学習意欲の高いエンジニアが多数存在します。今後も継続的な供給が見込まれており、安定した人材確保が可能です。中国は供給力があるものの、都市部での人件費上昇が進んでいます。インドは人口が多く供給量は豊富ですが、スキルのばらつきや離職率の高さが課題とされています。
4. コスト・物価・為替の観点から見る比較
国 | 相場感(開発単価) | 備考 |
ベトナム | 1,200〜1,800 USD/月(一般エンジニア) | 品質・対応力とのバランスが良い |
中国 | 1,800〜2,500 USD/月 | 地域によってばらつきあり/やや高騰傾向 |
インド | 1,500〜2,200 USD/月 | 安いが管理・品質にばらつきあり |
5. 文化・距離・タイムゾーンの違い
項目 | ベトナム | 中国 | インド |
日本との時差 | 約2時間 | 約1時間 | 約3.5時間 |
商習慣 | 親和性が高く柔軟 | ビジネス色が強い | 個人主義がやや強め |
祝日など | 旧正月あり | 旧正月あり | 宗教祝日が多い |
6. なぜ今「ベトナム」がもっとも選ばれているのか?
ベトナムがオフショア開発先として圧倒的に支持されているのは、単にコストが安いからではありません。
言語・文化・技術・人材のバランスが非常に良く、日本企業にとって“任せやすい”環境が整っているからです。
まず、日本語対応力はオフショア先の中でも突出しています。
国家戦略として日本語教育が進められており、N2〜N3レベルのエンジニアやブリッジSEが多数在籍。
加えて、日本的な報連相や丁寧なコミュニケーションにも馴染みがあります。
技術面では、ReactやPython、AWSなどモダンな技術に強い若手エンジニアが豊富で、国内開発と近い感覚で連携できます。
さらに、IT系の高等教育機関からは毎年5万人以上の新卒が輩出されており、将来的な人材供給も安定しています。
そのうえ、ベトナム政府はIT産業と日本向け人材の育成を重点政策として推進しており、継続的に信頼できる開発体制を構築しやすいのも特徴です。
ポイントまとめ
- 日本語対応・文化理解に優れる
- モダン技術に強い若手が中心
- 人材の供給が安定し、将来性も◎
- 政府のIT育成戦略により継続性も高い
ベトナムは「コスト」ではなく、「信頼して任せられる環境」で選ばれるオフショア先になっています。
7. まとめ:選ぶべきは「国」ではなく「目的に合うパートナー」
いかがでしたか?
オフショア開発において重要なのは、「コストの安さ」ではなく「目的に合った国とチームを選ぶこと」です。
その観点で見ると、ベトナムは技術・人材・言語・文化のすべての面で日本企業にとってバランスが取れており、今後も信頼できるパートナーとして有力な選択肢となるでしょう。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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